無電解銅めっきとは?プリント基板に欠かせない技術

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無電解銅めっきとは?プリント基板に欠かせない技術

電子機器に欠かせないプリント基板(PCB)には、目に見えない高度な技術が使われています。その中でも「無電解銅めっき」は、電子回路の導通性を確保する上で非常に重要なプロセスです。

導電性を持たせるためのめっき技術

「無電解銅めっき」とは、外部電源を用いずに化学反応によって銅を金属表面に析出させる技術です。導電性を持たない素材、たとえば樹脂やガラスエポキシなどの絶縁体にも銅を析出させることができるため、電子回路の基盤であるプリント基板製造において重要な役割を担っています。

重要な用途はスルーホールの内部めっき

無電解銅めっきの重要な用途は、プリント基板内の「スルーホール」を導通させることです。スルーホールとは、基板を貫通する穴で、異なる層の回路を接続するために使われます。しかし、基板は樹脂でできており、穴の内部も絶縁体です。そこで無電解銅めっきにより、穴の内壁に薄く銅を析出させ、後の電気銅めっきやはんだ付けを可能にするのです。


無電解銅めっきの工程と原理

プリント基板への基本工程

無電解銅めっきをプリント基板に行う際は、以下の工程で処理されます。

  1. 脱脂:表面の油分や汚れを除去
  2. 酸浸漬:酸処理で表面の酸化物や異物を除去
  3. 触媒化処理:表面に銅還元の起点となる触媒(通常はパラジウム)を付着させる
  4. 無電解銅めっき:化学反応により銅が析出
  5. 電気銅めっき:必要に応じて後工程で厚付け

ホルムアルデヒド浴と次亜リン酸浴の違い

ホルムアルデヒド浴の特徴

最も広く用いられるのが、ホルムアルデヒドを還元剤とする高アルカリ性の浴です。この浴では高い析出速度と安定性が得られますが、強アルカリ性のため取り扱いに注意が必要です。

次亜リン酸浴の特徴と中性pHでの使用例

近年では、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする中性浴も使用されています。この浴はニッケルを触媒に用い、電子移動によって銅を析出させます。ホルムアルデヒド浴に比べて環境負荷が低く、中性領域でも安定なめっきが可能です。


重要ポイントまとめ

  • 無電解銅めっきはプリント基板のスルーホールに導電性を付与するために不可欠な技術
  • ホルムアルデヒド浴は高アルカリ性で広く使われるが、次亜リン酸浴は中性で環境対応にも優れる
  • 薄膜めっき後の電気銅めっき工程と組み合わせて、信頼性の高い回路形成を実現

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