合金めっきとは? 表面処理の基本と多様な特性を徹底解説

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はじめに

私たちの身の回りには、めっき加工された製品が数え切れないほど存在します。 中でも「合金めっき」は、複数の金属の特性を活かして単一金属めっきでは得られない機能性を実現する表面処理技術です。 本記事では、合金めっきの基本的な仕組みや特性、どのような分野で活用されているのかを、初心者の方にもわかりやすく解説します。

合金めっきが持つ多様な特性

合金めっきの特性は、金属の組み合わせや析出される相構造(共晶・固溶体・化合物など)によって大きく変わります。 冶金的に混ざりにくい金属同士でも、めっきであれば均一な組織が得られることがあり、これは合金めっきならではの特異性です。

  • 均一で微細な結晶構造を形成しやすい(例:Ni-P合金)
  • 共晶組織を持つ合金でも、過飽和固溶体を得られる(例:Ag-Bi合金)
  • 融点が大きく異なる金属同士でも合金化できる(例:Ni-W合金)
  • 一部の金属や非金属は、単独では析出しないが他の金属との組み合わせで析出可能(例:Ni-B合金)

こうした特性は、めっき皮膜に新しい機能を与え、幅広い産業用途に応えています。

活用される主な合金めっきの種類と用途例

合金めっきは、実際にはどのように使われているのでしょうか。以下は代表的な特性と活用される合金めっきの例です。


特性 代表的な合金めっき例 用途の一例
電気的特性 Au系、Ag系、Cu系、Ni-Pなど 電子部品、コネクタ、スイッチ
機械的特性 Ni-P、Co-Ni、Cr-Moなど 摩耗部品、金型
装飾性 Cu-Zn、Au系、Cu-Sn、Sn-Niなど アクセサリー、時計、装飾金具
防錆・耐食性 Zn-Ni、Zn-Fe、Sn-Niなど 自動車部品、建材
接合性・ボンディング性 Au-Ni、Sn-In、Ni-Pなど 半導体、電子基板
抗菌性 Co系、Ni-P、Cu-Sn 医療機器、厨房設備

合金めっきのメリットと将来性

合金めっきは、単一金属めっきでは得られない表面機能を付与できる技術として、研究と応用が進められています。 近年では、脱炭素社会に向けた電気自動車用部品や、高効率な電極材料、抗菌表面の開発など、新たなニーズへの適用が注目されています。

さらに、溶融法では難しい微細構造を制御できる点や、多様な金属・非金属元素を組み合わせる柔軟性は、表面機能開発の分野で大きな可能性を秘めています。

まとめ

・合金めっきは、単なる表面保護にとどまらず、装飾性、耐食性、電気特性など多彩な機能を付与できる表面処理技術。
・幅広い産業分野で活用されており、ニーズに応じて新たな組み合わせの開発も進められ、 今後も用途の多様化とともに、さらに高機能化した合金めっきの研究が期待される。

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