銀は金属の中でも非常に優れた導電性と熱伝導性を持ち、また美しい外観を有することから、古くから多岐にわたる用途で用いられてきました。特に、電気的な性能が求められる分野では不可欠な金属であり、電子部品などの電気接点に頻繁に採用されています。
さらに、銀は電気抵抗の低さに加え、摺動性や光学的特性(反射性)にも優れているため、リードフレームや導電端子、リフレクター用途などの機能部品にも多用されます。また、食器や装飾品などの外観が重視される製品にも使われており、抗菌・殺菌性を目的とした利用も含め、用途は機能性と装飾性の両面に広がっています。
銀の最大の弱点は、硫黄成分と反応しやすいことであり、大気中に含まれる微量の硫黄化合物と反応して表面に硫化銀を生成し、黒く変色してしまうことがあります。これにより、美観が損なわれるだけでなく、電気的な接触信頼性にも悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに注意すべき点として、ダンボール箱や合成ゴムなど、硫黄系のガスを発生させる材料との接触や近接も銀の変色を引き起こす原因になります。これらの材料から発生する硫化ガスが局所的に濃度を高めることで、変色が顕著になる場合があるため、保管・使用環境には十分な配慮が必要です。
硫化前の銀
硫化後の銀
現在も主流として用いられているのがシアン化銀めっき液です。これは、銀イオンを安定的に浴中に保持しながら、均一で密着性の高い銀層を形成するのに適しています。
シアン化銀めっき液は、大きく2つのタイプに分かれます。
環境負荷の低減や廃水処理の簡素化を目的に、非シアン系の銀めっき液も一部で活用・研究されています。以下は代表的なタイプです。
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